愛犬の夏のお散歩注意点6選

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暑さに弱い犬にとって夏のお散歩は、QOL(生活の質)を大きく低下させたり、時に命を奪う危険性があります。しかし、散歩は愛犬の楽しみの1つであり、精神的ストレス解消や肉体的ストレス解消に運動は必須ですので、夏に愛犬をお散歩に連れていかないわけにはいきません。

今回は、ドッグヘルスアドバイザーが愛犬の夏のお散歩の注意点6選を紹介させていただきますので、ぜひ愛犬と夏のお散歩に行くときに活用してください。

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犬の夏のお散歩の2つのリスク

ここでは、愛犬と夏にお散歩するときに生じやすいリスク2つについて紹介します。熱中症や肉球の火傷には十分注意をしましょう。

熱中症のリスクが高い

犬種や年齢、個体差によって暑さに対しての弱さは異なりますが、犬は一般的に暑さに弱いのが特徴です。パグやブルドッグ、ボストンテリアなどの短頭種、大型犬を中心に、熱中症発症後5〜10分程度で亡くなってしまう犬も多くいますん。

また、アニコムの第3部どうぶつの疾患統計、「犬の熱中症」調査結果によると、熱中症によって動物病院を受診した犬の保険金請求件数は7月にピークを迎えていますが、3月を越えた春先から9月後半まで発生しています。

熱中症の発症率が高い6月〜9月はもちろんですが、犬を飼う上では暑さへの配慮は日頃から行うことが大切です。

肉球の火傷リスクが高い

人は靴を吐いているので感じ取りにくいのですが、夏のアスファルトなどの地面は意外に温度が高いので、愛犬の肉球火傷に注意が必要です。火傷リスクが高い地面の温度は42℃程度が目安ですが、愛犬と夏にお散歩するときは、手で実際に地面を触って熱くないか確認することが大切です。

愛犬の夏のお散歩注意点6選

ここでは、実際に愛犬と夏にお散歩をするときの注意点6選をドッグヘルスアドバイザーが紹介します。暑い時間帯に散歩をしないことはもちろん、暑さ対策で日々抜け毛を除去しておきましょう。

愛犬のお散歩は暑い時間帯に注意

太陽が出ている夏場の暑い時間帯は、絶対にお散歩はしないようにしましょう。また、短頭種や超大型犬、老犬、その他免疫力が低下している犬など、夕方のお散歩や夜のお散歩であっても長時間の散歩で熱中症になってしまうことがあります。

愛犬が過剰にパンティングしている場合は、早めに散歩を終わらせて冷房の効いた室内で休ませましょう。犬は汗をごく僅かな部位でしか放出できないので、体内に熱が溜まりやすく熱中症になりやすいのが特徴です。

パンティングは、体温調整をするために舌を出してハァハァとすることですが、暑い時間が長い、または温度が高すぎるとパンティングでは十分に体外に熱を放出できずに熱中症になります。

愛犬の夏のお散歩は湿度にも注意

意外に注意しなければいけないのが、湿度です。実は気温が比較的低くても湿度が高い状態でのお散歩は、熱中症リスクを高める大きな要因になります

犬の体は体温調節するための汗線が非常に少ないので、熱が体の外に出ずにこもってしまいますが、湿度が高い状態だと、パンティングや肉球、鼻から放出される微量の汗さえ蒸発されなくなって、体温調節が余計にしにくい状態になります。

湿度が高くても熱が体内にこもる原因になるので、愛犬の生活空間の湿度は50〜60%を目安にして、夏の散歩時には室外の温度だけでなく湿度チェックが必須です。

愛犬のお散歩前に地面の温度をチェックする

夏場の地面は、夕方でも熱さが残っていることがあるので、愛犬のお散歩前は必ず肉球の火傷リスクに配慮して、飼い主さんの手で地面の温度チェックを行っておきましょう。

なお、肉球を火傷してしまった場合は、肉球が剥がれてしまったり、真っ赤に炎症を起こしたりします。重度のケースでは、手術で肉球部分の皮膚を切り取る処置が必要になるケースもあるので、暑い時間帯に散歩しないことはもちろん、夕方であっても地面の温度は確認しましょう。

愛犬とお散歩するときは水分補給を行う

愛犬との夏場のお散歩には、給水器を持参すると良いでしょう。薄暗い早朝や夜間の短距離散歩であれば、帰宅後に水を与えても問題ありませんが、涼しい時間帯を狙って長い時間散歩する場合は、定期的な水分補給が大切です。

犬は脱水症状を引き起こしやすく、涼しい時間帯であっても長く歩く場合は脱水対策や熱中症対策で水が活用できます。また、暑さだけでなく脱水症状が熱中症を引き起こしやすくするケースもあるので、注意が必要です。

夏のお散歩の大敵!サマーカットに注意する

愛犬が暑そうだと、被毛を極端に短いサマーカットにしてしまう飼い主さんを多く見かけます。見た感じは涼しそうに見えますが、実は極端に短いサマーカットは熱中症リスクを高めます。

犬の被毛には、外部から加わる刺激や怪我などから皮膚を守る働きの他、体温を調節するための役割も持ち合わせています。冬に体を暖かく維持することはもちろん、夏のケースでは日光や熱から皮膚や体を守る役割を果たします。

極端に短いサマーカットにしてしまうと、体の内部に近い皮膚から熱が体内に伝わりやすく、体内に熱がこもって熱中症リスクを高めてしまうので、サマーカットには十分注意しましょう。

抜け残りのアンダーコートに注意

サマーカットは皮膚や体を守るのに必要な被毛までカットしてしましますが、特に夏場は不必要な抜け毛を除去しておくと被毛内で熱がこもりにくいのでおすすめです。

通常のブラッシングでも大丈夫ですが、夏場は抜け毛除去に適しているファーミネーターを1つ準備しておくと非常に便利です。ファーミネーターは、我が家の愛犬ゴールデンレトリバーとバーニーズマウンテンドッグ、ボーダーコリーの抜け毛対策で活用していますが、驚くほど抜け毛がとれます。

被毛内に熱がこもりやすい夏の暑さ対策の一環として、定期的にケアを行うと良いでしょう。なお、大型犬用のファーミネーターには短毛種用と長毛種用がありますが、皮膚に傷がつかないように十分配慮しながら優しくブラッシングすることが大切です。

犬にとって夏のお散歩のリスクが高い理由

犬には人と同じように、「エクリン腺」と「アポクリン腺」の2種類の汗腺があります。しかし、人の皮膚に存在するサラッとしたような汗をかく「エクリン腺」は、肉球を中心に体のごく僅かな部分にしか存在しません。

その他、犬は人と異なり、短毛種であっても長毛種であっても被毛が密集して生えています。人が感じる以上に暑さを感じやすく、熱中症リスクも高いので、夏の散歩では特に注意が必要です。

愛犬の夏のお散歩には注意しよう!

犬は人と異なり、暑いときに汗をかいて体温調整をすることができないといっても過言でないほど汗線が少ない生き物です。パンティングでも不十分で熱中症になりやすいので、夏場や暑い地方では春〜秋にも熱中症リスクは高いのが特徴です。

熱中症によって命を落としてしまう犬が多いので、暑さ対策には十分注意して愛犬のQOLを維持できるように温湿度管理や夏場のお散歩管理をしっかりと行いましょう。